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2018年3月2日

南極を訪れる前にこれだけは知っておきたい5つのポイント

地球の果て。最後の秘境。冒険旅行。色々なイメージの南極ですが、今やどなたでも、安全に訪れることができる場所です。そんな南極に行ってみたい!と思われた方に、その前に知っておきたい5つのポイントをお伝えします。


1.南極は広い!

すばり、南極はアメリカの約1.5倍、オーストラリアの約2倍の広さがあります。

地形も変化に飛んでいます。
南緯90度にある南極点は標高2,835m。氷床の上に位置しています。
日本の南極観測拠点は4箇所ありますが、皆さんご存知の昭和基地の標高は29.18m。
一番標高の高い基地は、ドームふじ基地で3,810m。
富士山と同じような標高で観測をされているわけですね。
昭和基地に観光でいけませんか?とご質問を受けることがありますが、残念ながら行けません。

訪れる場所によって気温も全く違います。
南緯66度33分以南は南極圏と呼ばれ、夏は白夜、冬は極夜となります。
南極点は高い標高の影響もあり、極夜の冬の時期の平均気温はマイナス50度前後、白夜の夏でもマイナス25度前後とのことですからまさに極寒の地です。

しかし、私達が観光で一番簡単に訪れることができる南極半島周辺の夏の平均気温は0度~マイナス5度程度。
もちろん風が吹けば体感温度は下がりますが、意外に気温はそこまで低くありません。
日本の冬の気温の方が低い位ですよね。


2.ベストシーズンでも見える景色が違う

南極観光のベストシーズンは11月~3月初旬までです。
時期を選ばないと描いている南極の姿が見られない可能性がありますので、要確認です。

11月~12月は春の訪れを感じさせる雪と氷の白い世界。
これぞ南極!という美しい景観をご覧いただける季節です。

1月中旬からは夏になり、雪が溶け、岩肌が見えるようになります。
また、南極半島に行くコースでは通常は南極圏までは行きません。

南極圏突入を目指される方は、3日ほど長い、南極圏に行くコースを選択してください。


3.キングペンギンとコウテイペンギンはどこにでもいるわけではない

南極で多くの方が期待するペンギンとの出会い。
ペンギンは生息している地域が個体毎に違います。
一般的に観光で訪れる時にご覧いただけるおおよその時期のペンギンの様子をご紹介します。
年によって変わることがありますので、目安としてお考えください。

南極半島周辺
南極半島周辺に生息しているのは主にゼンツーペンギン、ヒゲペンギン、アデリーペンギンです。

11月~12月上旬頃 ペンギンは巣を作り、親ペンギンが卵を温めています。
12月下旬頃からにヒナがかえり、生まれたばかりの姿をご覧いただけるかもしれません。
1月中旬頃にはペンギンの赤ちゃんのよちよち歩きや餌をねだる姿をご覧いただけます
2月中旬頃には巣もなくなり、換羽期に入ります。子ペンギンだけが泳ぎの練習をしている様子もご覧いただけるかもしれません。

南極半島周辺は一般的に多くのコースで訪れますので、この3種類はほぼ見ることができるペンギンたちです。

サウスジョージア島
ペンギンの中で2番目に大きなキングペンギンは、サウスジョージア島に大きなコロニー(営巣地)を作っています。
キングペンギンの子育ては約1年ががりです。

11月~12月頃 赤ちゃんはこの時期茶色のモコモコした毛をまとっており、だいぶ大きくなっています
2月~3月頃 ヒナ誕生の時期です

サウスジョージア島単体を訪ねるツアーはなく、サウスジョージア島と南極半島周辺を組み合わせたツアーになります。
日数がその分8日程度長くなります

一番大きなコウテイペンギンのコロニーはウエッデル海にあります。

コウテイペンギンのオスがブリザード吹く中、3~4ヶ月もの間卵やヒナを温め続ける姿はよくテレビでも放映されていますね。

船で訪れた場合でもヘリコプターでコロニーの近くに移動して、コロニー周辺まで徒歩で近づきます。航空機で移動した場合は、さらにウエッデル海周辺まで航空機で移動し、コロニー周辺まで徒歩で近づきます。

9月~10月頃 卵を親が足元で温めています
11月頃 グレーの毛のヒナの姿をご覧いただけます
12月上旬 海に向かってヒナが歩き始めます

行く時期・場所により、見える景観とペンギンの様子が違うことがお分かりいただけた事と思います。

ここまでお読みいただき、南極旅行に興味を持っていただいた方は、是非一度お問い合わせください。
私たちは喜んで南極への旅のお手伝いをさせていただきます。


4.南極には船か航空機で行く

一般に観光客が南極に行く場合、南米アルゼンチンの南端ウシュアイアから船で行く方法と、南米チリのプンタアレナス空港より航空機で行く方法があります。

南極点を目指す場合などいくつかの例外がありますが、航空機を利用してもその後は船でクルーズしながらの観光となります。

では船で行くのと、航空機でいくのとで、何が違うのでしょうか?

まず、費用。
全く同じ船とコースで比較できないので、イメージとして捉えていただきたいのですが、弊社でご案内している南極半島とサウスシェトランド諸島を4日間クルーズするコースと航空機で移動して4日間クルーズするコースを比べると、約1.5倍航空機で行くコースが高いです。

そして、時間。
船で行くとサウスシェトランド諸島まで約1.5~2日かかります。航空機なら約2時間。
この差は圧倒的です。

船旅を困難にする“魔の”と形容されるドレーク海峡。
船で行く時に避けて通れないのが、南極海域に行くまでに通過するドレーク海峡。
荒れる海として名高い海峡です。
ドレーク海峡を心配して、南極行きを断念される方もいるほどの場所です。

実際はどうでしょうか?
もちろん自然相手ですので、行かれた時の状況によりますが、私も荒れたドレーク海峡と凪のドレーク海峡の両方を経験しました。
脅すわけではありませんが、5,000トンから13,000トン程度の小さな船で行くので、荒れた時は揺れます。
船に乗ったら、酔い止めを飲んで、じっとしているに限ります。
でも、このドレーク海峡では大空を羽ばたくアホウドリが見られるのです。
翼を広げると2mは超えるというアホウドリの姿、体調の良い時は見てくださいね。
ちなみに、南極海に入ったら、揺れることはありません。それまでの辛抱です。

リスクのある航空機利用では航空機で行ったほうが楽ではないか!とお思いでしょう。
でも航空機は天候がよくないと飛べない、という大きな試練が待っているのです。
航空機遅延なんてよくあること、とお思いかもしれませんが、ちょっと待って下さい。
この天候、よくならないと何日も待つ羽目になります。
最悪の場合、航空機が飛べず、南極に行けない、という場合すらあるのです(実際あったのです。)
2日遅れで航空機が飛んだとしても、2日分長くクルーズ観光ができるわけではありません。
帰りの航空機が飛ばない場合は、現地で何日か余分に過ごさなくてはならなくなり、帰国便に間に合わなくなってしまったため、航空券を買い直す、といったリクスのあるのが、航空機利用プランなのです。
しかし、運良くスケジュール通りに観光できたら、やっぱり楽なのが航空機利用プラン。
悩む所ですね。


5.上陸する船、しない船

実は南極には環境にマッチしたもっと大きな船も、数は多くありませんが、航行しています。
ただそのような中型、大型船は南極海域で上陸観光はせず、本船の上から景観を楽しむクルーズ観光になります。

南極海域で一箇所に上陸できる人数は100名と決められています。
それ以上の人数を一度に下船させることができないことと、下船させるゾディアックボートを積んでいないため上陸はできません。

しかし、船が大きくなればドレーク海峡の揺れは軽減されますし、クルーズ船として毎晩行われるショーや多くのレストランやバーなど船上ライフを楽しむことができることは大きなメリットです。
上陸はせずとも、航行ルートは上陸する船とそれほど変わりがありません。
スケジュールが合えば一考に値すると思います。

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※写真・イラストは全てイメージです。ご旅行中に必ずしも同じ角度、高度、天候でご覧いただけるとは限りませんのでご了承ください。